片づけは得意だけど、
掃除が苦手なあるじ。
先月だったか、これまでうちに
なかったものを買ってみた。
コロコロ。
こたろうと暮らした十数年、
使ったことがなかった代物。
こたろうと毛布、
こたろうとカーペット、
こたろうとラグの組み合わせ、
こたろうの換毛期、
こたろうのフーリー、
こたろうの風呂上がり、
こたろうの綿出し、
こたろうの段ボールファイト。
どいつもこいつもこれで
どうにかなるとは思えなかったし、
そもそもゴミを増やしながら
掃除をするのが好きじゃなかった。
あたしはどうも「使い捨て」が苦手だ。
だけどこたろうがいなくなって
自分しか部屋を汚さなくなると、
ちょっとここだけの時にいちいち
掃除機を出すのが一層面倒に感じる。
使えるね。コロコロ。
これまでは毎度こたろうが
なに始まんの?みたいな顔して
毎回飽きずに反応してくれて、
本来あたしが好きじゃない作業も
楽しみに変えてくれてたんだな。
新聞を広げれば踏み、
洗濯物を取り込めば絡み、
掃除機を出せば闘い、
買い袋を見せれば沸き、
キッチンに立てば飛ぶ。
なんてことない日常のひとコマを
ひとつひとつ楽しんでた。
あたしの地味なひきこもり生活を
彩っていたのは、どの場面でも
ことごとくこたろうだった。
こたろうの存在は本当に大きくて
まだまだ少しも薄まらない。
こうしてる間も感謝の気持ちが
あふれてあふれて泣ける。
ここだけはコントロール出来ない。
あたしの泣きのスイッチは完全に
こたろうに押さえられたまんまだ。
ちなみに今日のこたさんは
2005年11月12日のもの。