今年もとうとうお目見え。
こたろうが10年以上使い続けた
いただき物のハーフケット。
今年もタグの残骸が
しっかりぴよったまま。
当時こうした理由は特にないんだけど、
もう今さら切り離せなくって、
毎年かたくなに維持している。
開けっ放しの窓、
出しっ放しの扇風機、
しつこく使い続けている夏掛け、
シーズンオフ化してるキリンの毛布。
まだまだハードルが残ってる。
こたろうがいた夏が勝手に終わって、
季節がどんどん変わっちゃう。
そこにささやかに抵抗してる。
ちょっと買い出しに出るだけでも、
ゴミ出しに行くだけでも、
ポストを開けに下りるだけでも、
家の鍵を握るだけで、長年感じ続けた
あの後ろ髪を引かれる感覚が甦る。
出先ではもちろん平気なんだけど、
相変わらず家に戻るとなんとなく
ホっとした気持ちになって、
でもその直後に、
本当に自分はこたろうの居ない世界で
生きていかなくちゃいけないんだなぁ。
とか思う。
部屋から見える河川敷の緑とか、
初めて見る角度の西日とか眺めて、
もっと思う。
こたろうのいる暮らしは最高だったけど、
こたろうのいない暮らしにもきっと
今まで知ろうともしなかった楽しみが
いくらでもあるんだと思う。
でも今はまだこたろうがいないことが
当たり前になるのがやだなーと思う。
見えなくてもこたちゃんは傍に居るよ。
日にち薬だよ。なんて優しい言葉も
正直今は右から左。
目も耳も心もはじいてしまう。
(ごめんね、みんな)
時間を巻き戻したいとか、
時間を止めたいとかでもなくて、
でも自分だけはまだ少し
ここに留まっておきたいような
そんな気分。
夏好きにとって、
秋って季節はなにしろ強敵だ。
とにかく静かにやり過ごしてみるよ。
今日は模様替えしてみたんだー。