動かぬ我々。

昨日と同じようなスタートになってしまったが、
なにしろ凪さんが完全に冬モードで
ほとんどここから動かないのだ。

朝から晩までほぼほぼこのデスク下の寝床で
目を閉じているかあくびをしているか。

そーっとそーっと気配を抑えて
冬季ならではの香ばしスメルを
じんわり発している。

我が家に定点カメラがあったら
無言のひとりと1ワンが
じっとしているだけの1日だろうな。

元保護犬の人馴れ目的で
1日一回誰かに褒められたらいいねの
暮らしを目指しているのだけど、
絶賛インドア生活極め中の我が家。

深夜の散歩だけではよその人の
目に止まる機会が全然ない。

エレベーターの乗り降りですれ違う住人さんの
「あら、かわい」なんかもカウントに入れて
かろうじてクリアしてきたんだけど、
そろそろ無理が出てきたか。

こうなったらもうSNSでいただく
ハートマークまでもカウント対象に
せねばならぬかもなー。

とはいえ最近の凪はなんでもかんでも
おっかなびっくりの時代を卒業して、
人間不信をかなり克服していると思う。

撫でようとしてくれたり
手を差し出してこられると
横っ飛びでかわすけど、
そうでなければかなり近寄れる。

散歩中、キープレフトの邪魔になる
道端の人なんかは足踏む勢いで
ギリギリを歩いて行けるしね。

座り込んでスマホに夢中になっている
若者なんかをよく紙一重でかすめて
ギョッとさせているよ。

停滞する人間は生垣と同じ扱いなのだな。

先日は少年にダッシュで追い抜かれて

「おかーさーん！この犬すごーい！
すごいよー！白と黒がはんぶーん！」

って顔覗き込まれて大声出されたけど、
キョトンと静かに顔貸していたし。

少しずつだけど、この世のよろずや
自分の立ち位置に納得し始めている感じ。

習得は遅いけど、成長はきっとしてる。