2・3日前の晩、
床がこないなことになっていた。

以前、雑誌かなにかを読んでいる時に
こたろうが横切った後に
点々と血痕が残ったことがあった。

その時は膀胱炎＋尿結晶が原因だったのだが、
その通院のおかげで脾臓にできた悪性腫瘍を
破裂前に発見することができた。

結果的には良かったのだが、
今回もその時の事が
ぐるんぐるん蘇ってきてこわくなった。

このあいだ目の際を切った時なんかとは
比べ物にならない恐さだった。

急いでこたろうを抱えて出どころを探る。

血尿じゃない。
手も足も違う。
腹？
どこ？
どこだ？

ん？
なんだそれ？

いざという時用に隠しておいた
おニューのおもちゃが部屋の隅に
血まみれで転がっている。

こたろう、ちょっと口開けてみ。

ダメだと言われてた
おもちゃを持ち出したからか、
ビクついた顔で頑として
口を開けようとしない。

口を閉じているとちょうどいい具合に
隠れて見えなくなるところ。
昨日のドアップでも写っていない。

結果は、下くちびる。

しかもこのキズ、
出来立てほやほやな感じではない。
つい無茶をして「開いてしまいました」
的な見た目だった。

いつどこでこんなにも深く切ったんだろう。

その場で流血しなかったから
全然気づいてやれなかったが、
撮った写真で振り返ってみると
どうやら今週前半のことらしい。

犬歯からはズレた位置なので、
自分の歯が当たったようなことでもないっぽい。

きっとまた散歩中にやったんだと思うけど‥‥参った。

口を横に広げるとキズがぱくっと
Vの字に開くのがあまりにも痛々し過ぎて、
ここ数日は歯磨きもできていない。

もちろんおもちゃハムハムも禁止中だ。

早く治れ。早くくっつけ。

と、ちょっと心配させるようなことを書いたけど
当のこたろうは至って元気。
まったくもっていつも通りなのでご安心を。

ここからは本日の昼散歩の様子を。

ふと立ち止まるこたろうさん。
じーっと何かを嗅いでいる。

あ、裏返った。

夢中でニオイつけてる‥‥。
いったいなんのだ‥‥？

何かとんでもなく臭いものでも
発見したのでしょうか。

熟れに熟れた（腐り倒した）
いつのだソレ的なぶよぶよ柿なのか？

そらもうあんた、生でなくて
干し柿よ的なひからび柿なのか？

まだまだいけるよ、えーからヤメとき。
的なギリギリの柿なのか？

ここらを歩くおじいおばあ達の間ででも
流行っているのか、最近いろんな状態の
柿の残骸を目にする。

みかんも等しく。
実だったり皮だったり。

誰か知らんけど、
ゴミはちゃんと持ち帰ろうやー。

それはそうと、こた。
おまえなんかえらいことになってんで。

この藁的なモノ。
乾燥しているからなんだろね、
静電気で全然取れやしないの。

こたろうが何度ぶるっても、
あたしが何度はたいても
ぜんっぜん離れてくれない。

藁のフリした磁石ちゃうかと思う程。

仕方ないので、このまま帰りました。

言うまでもなく洗面台は
えらいことになりました。

ちなみにどんな柿なのか、
いや柿でもみかんでもないのか、
それは分からず終いでした。

こたろうのキズがぴたっとなりますように。
下唇の回復力を応援してくださる方へ。