こたろうが見えるところにいない。
そんな時はたいがい和室の布団の上で
丸こまっているか、真っ暗な中、
来ない誰かを待ち続けて
玄関のノブを見つめている。
こたろー。帰っといでぇーー。
おおぉーい。こたろさーん。
こたろうさんよーーーーーーーう。
こたろうさんよーーーーーーーう。
あ。なんだ、そこで平べったくなってたんか。
そこならええで。ええて、ゆっくりしとき。
そこならええで。ええて、ゆっくりしとき。
あ。あぶなっ。
(あきらかに手をつく暇もなく頭からいきました)
(あきらかに手をつく暇もなく頭からいきました)
ふんふんて……。抜け出せないんか。
もうええよこたろう、用はないし。
もうええよこたろう、用はないし。
うん、ごめん。呼んだだけ。
ええよ戻って、ごくろうさん。
ええよ戻って、ごくろうさん。
そういや最近ほとんど、布団の上で
こっそりバフバフしてる姿を見なくなったな。
本当にこたろうは「捨てられ椅子」が好きなんだ。
拾ってきた甲斐、大ありだなぁ。
拾ってからもう7・8年経ってるし、
裏張りないし、キコキコ言うし、
相当へたってるけどなかなか手放せない。
実はちょっとほしい形のがあるんだけど…。
今日も午前の仕事を終えて、
昼ごはんにしようと席を立って振り返ったら…
こんなだった。
あるじの座るとこは侵してないはずです。
が、なにか?(てな顔)
が、なにか?(てな顔)
いえ…なにも。