凪はただ触って来ないってだけで、
甘えて来ないわけじゃない。
むしろ強めの甘えただと思う。
感覚的にはこたろうよりよっぽど。
近寄ることを拒んでた子が、
今は決して傍を離れないし、
室内リードが欠かせなかった子が、
今や人が伸ばす手を待つように。
受け身の振りして実は誘導。賢い賢い。
保護犬って、成犬って、
いいなーとつくづく思う。
もし凪を子犬から迎えていたら、
こんな成長とか吸収力とかを
単に大人になる当たり前の過程だと
うっかり見流しているかも知れないし、
きっとこんなにはひとつひとつの変化に
感心できなかったと思う。
凪の心はこうやって溶けんだねってよくわかる。
成犬ならではの健気さも頑固さも興味深い。
振り幅のデカい外弁慶で、
散歩がやや大変だけど、それもまた一興。
仲良く楽しくやっていくよ。
おまけ。
背後で寝ていた凪がハッと起きて
尻尾ぶりんぶりん振り回しながら、
仕事中の肩越しに鼻突き出してくる。
そして右に左に移動しながら
やたらまとわりつく。
ほぼ1日1回。
これはいったいなんだろう？
床にゴロゴロしはじめると
鼻息がいっぱい降り注ぐ。
かすり気味の鼻ちゅーも貰う。
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