凪がお骨になってしまって
久々に正真正銘ひとり暮らし。
それなのに現在の我が家の空気感に
全然ザワついていない自分がいる。
3日間はここに凪のボディがおったし、
ちょっとチベたいけど表情はかわいいし、
だからなのかなと思っていたけど、違った。
凪は小さな壺に納まってしまったけど、
なんというか我が家の気配というか
熱量というかそういったものの総量が
ちっとも減っていない感覚。
凪がどれだけそっとそっと静かに
暮らしていたのかがわかる。
あいつすげーな。
ほんと気配消して生きてたんだ。
かりんこやこむぎが訪れて
凪の無音レベルをつくづく実感。
3kgもないような小さな犬たちの方が
よっほど存在感がある。
たしかに日頃から
凪に意識を向けていない時に
凪の気配を感じることはあまりなかった。
仕事に集中している時など
凪は完全に気配を消し切るから、
ふと視線を向けてようやく
おお今日はそこにおったんかいとなる。
絨毯のマイポジで伸び伸びしていたり、
ソファで上手な枕使いをしていたり、
足元の寝床で手足をはみ出していたり、
時には真後ろで熟睡していることに
気づかず踏みつけてみたり。
とにかく背中で感じることは少なく
目視で確認させるタイプだったので、
リビング扉の向こうに締め出したまま
おやおやごめんいつからそこに?
なんてことは日常茶飯事だった。
凪は自分発信のない犬。
行動には他者のきっかけが必ずある。
キッチンに立つから見にくる。
食べ物が見えるからねだる。
洗濯物を運んでいるから先導する。
散歩に誘われたから跳ね散らかる。
あたしが帰ったからおかえりと舞い踊る。
他人が入ってきたからやんやん吠える。
サイレンが聞こえたから共鳴する。
ブラシが向かってくるから転がる。
歯ブラシが向かってくるから逃げる。
必ずコールあってのレスポンス。
結局自ら散歩は?ごはんは?と
コールしてくることはほぼなかった。
つまりこちらから向き合わない限り
いちいち不在地雷を踏むことはないという
システムに元々慣れ親しんでいたわけだ。
いつも通りの静けさの中で
喪失感においおい泣くこともなく、
思い出してしおしお泣くこともなく、
ふとした時になんでおらんのんじゃーいと
声出してまう以外はとても心穏やか。
こたろうの激動から静寂の落差とは
大きく異なる状況を体感している。
あの子あってこの子あり。
凪の場合は寝床が複数あって
他にもお気に入りのスポットが多く
定位置のない子だったので
特定の場所に喪失感を感じることもない。
その上気配を抹消するのが得意な
ひそやか過ぎる犬だったから
我が家の熱量に影響しなかったようだ。
デフォルトの凪からは
熱々の気配は感じなかったけど、
暮らしには大いに潤いを与えてくれた。
レスポンス技術の地味な学びと成長は
隅から隅まで微笑ましかったし、
その不器用さはむしろ魅力だった。
空間の温度は上げないけれど、
周囲がしっとりうるうるする存在。
凪は我が家の湿度だったのだな。
まぁだから今はちょっとカサカサだわね。
凪に不調を気づかせないように
フルパワーで頑張ってくれた
左側の2代目バンちゃんが
初七日あたりから力尽きるように
ガタガタときてる。
こたろう時代の初代バンちゃんは
引き止めることができなかったけど、
今回はなんとしてでも生き延びて、
これからも我が家を守ってほしい。
やばい子から都度
水耕に退避させています。
粘れ粘れ。生きろ生きろ。
<最後のおまけ>
2021年12月の凪柄カレンダーです。
そもそもあるじ母に向けて作った
我が家カレンダーなので、
うち独自の予定が入っていますが、
よろしければみなさまもどうぞ。
こちらのページに掲載しています。
⇒ 凪柄カレンダーの一覧ページ
もう一回は書くかなー。